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イベント・ドリブン戦略の運用者は、対象企業の歴史的背景、特徴、企業活動における諸規制など数多くの点をリサーチし、高いリターンを創出できるミスプライスの状況を見出そうとする。
これにより、運用者は割安な証券のロング・ポジションを構築し、イベント後に証券価格がフェアバリューに戻ることで利益を得る。
イベント・ドリブンには、「合併買収ア−ピトラ−ジ」と「破綻証券投資」の二つがある。
合併買収ア−ピトラ−ジは、企業の合併買収(M&A)において買収企業が被買収企業に支払う価格と、買収発表後に市場で取引される価格差から利益を創出する戦略である。
被買収企業の株価は、合併買収が成立するまでにリスクがあることから、合併買収が実現した際の株価より割安で取引されることが多い。
合併買収ア−ピトラ−ジでは、合併買収が現実可能か否かを予測し、被買収企業の現在の株価と、合併後の株価の差額から利益を得る。
現金による買収の場合、買収提示価格より低い価格で株式をロングし、買収が完了した時点で株式を売却し利益を確定する。
株式交換による買収の場合、被買収企業の株式をロングする一方で、買収企業の株式をショートすることでスプレッドを確定する。
破綻証券投資は、財務ないしは業務が破綻状態にある企業の証券に投資する戦略である。
破綻状態とは、抜本的な再組織、破産更正、事業売却などのリストラ策を講じる必要がある状態を指す。
破綻状態にある企業は、経営面・財務面で困難な状況にあるため、資産売却、デット・エクイティ・スワップ、破産手続きといった更正プロセスを開始することが多々ある。
一方、こうした企業に投資している機関投資家は、破綻状態にある企業の証券を保有することが内規等で禁じられており、売却する必要に迫られることが多い。
また、投資家が予想する破綻企業の先行きリスクは、破綻が表面化したあとには急速に高まる。
このため、破綻企業の証券価格は、フェアパリユ(適正価格)よりも割安になることが多い。
破綻証券投資では、破綻状態にある企業の更正が成功した場合、会社が売却された場合、清算された場合:::など数多くのシナリオを想定し、債権者が得る潜在的なリターンと、市場が評価するリターンの講離から利益を創出する。
セキュリティ・ピッキングは、運用対象資産を株式に限定し、株式投資の特徴である大きなリスクを抑制しながら、高いリターンだけを取り出そうとする戦略である。
セキュリティ・ピッキングのサブ戦略は数多いが、ここでは代表的な例として、「株式ロング・ショート」「株式市場ニュートラル」「ショート・セリング」を紹介する。
株式ロング・ショートは、割安と思われる株式をロングする一方で、割高と思われる株式をショートする戦略である。
ポートフォリオは、上昇相場の際にはロング・ポジションを積み増し、下落相場ではショート・ポジションを積み増すので、市況によって買い越し(ネット・ロング)、売り越し(ネット・ショート)のどちらもあり得る。
株式市場ニュートラルは、をほぼ同額で持ち、市場全体の上下変動をヘッジする戦略である。
通常、ロング・ポジションでは、市場平均よりも高いパフォーマンスを残すと予想される個別株を組み入れ、市場平均以下のパフォーマンスしか残せないと予想される個別株をショート・セリングしてポジションを構築する。
なおショート・ポジションでは、個別株の代替物として先物指数やオプシヨンを利用することもある。
ショート・セリングは、株価の下落が見込まれる場合、株券を第三者から借り入れ、その株券を市場で売却し、株価が下落したあとに売却した株券を買い戻すことで利益を確定する戦略である。
通常、ショート・セリングでは、借りる証券の市場価格に相当する証券もしくは現金を担保として差し入れる。
ダイレクシヨナル・トレーデイングは、為替、金利、株式、商品等あらゆる市場で投資機会を見出す戦略で、基本的には資産価格のトレンドとあわせたポジショニングを構築して利益を創出する。
サブ戦略には、「マクロ投資」と「マネ−ジド・フュ−チャ−ズ」がある。
マクロ投資とは、株式、金利、為替、商品など各種市場で不均衡となっている部分を発見し、各市場で生じる不均衡の修復過程を先取りし、利益を得る戦略である。
マクロ投資では、不均衡を発見する手段として、世界的な視野でマクロ経済が投資対象にどのような影響をおよぼすかを予想するトップダウンアプローチを用いる。
ヘッジファンド業界で長い歴史を持つマネ−ジド・フュ−チャ−ズは、戦略で、テクニカル分析に基づいたトップダウンアプローチによる、上場先物市場を対象にした戦略である。
マクロ投資と類似性があるといマクロ投資があらゆる市場を対象にするのとは対照的に、マネージド・フュ−チャ−ズでは流動性の高い上場先物に限定している点に特徴がある。
初年代まで、マネージド・フュ−チャ−ズは、運用者の相場観をベ−スコンピュータの発達とともに、テクニカル分析で自動的に運用判断をするスタイルが普及している。
現在では運用者の裁量を排除したシステム・トレードで運用することが主流となっている。
トップダウンアプローチファンドを構築する際に、経済・為替などのマクロ的な分析からはじめて、資産・業種別配分を決定して、その後個別銘柄の選別を決めてゆく方法。
テクニカル分析移動平均、株価チャートなど、株価データをべ−スに相場の先行きを分析・予測すること。
債券ア−ピトラ−ジは、イールドカーブに平均回帰性があるという前提のもと、複数の債券についてロング・ポジションとショート・ポジションを同時にとり、一時的な価格のゆがみ(不均衡)が元の合理的価格に戻る(収散する)過程で利益を獲得するものである。
通常、債券価格の不均衡は非常に小さいため、債券ア−ピトラ−ジではレパレッジを活用することが多い。
債券ア−ピトラ−ジで前提としている平均回帰性とは、複数の債券価格の聞に、ある一定の関係が存在しており、仮に一定の関係が一時的に崩れたとしても、いずれまた元の関係に戻る性質を指す。
たとえば、A、Bの二つの債券があり、AとBの価格差は(Aが100円ならBは80円)の関係があるとしよう。
ある日、AとBの価格差が8円になったとしても、平均回帰性が続いていれば、AとBの価格差はいずれ元の関係に戻ることになる。
債券アーピトラ−ジの運用者は、この平均回帰性を利用し、複数の債券価格の関係に歪み(不均衡)を発見すると、価格の関係が過去の平均水準に戻る方向にポジションを構築する。
先の例でいえば、通常なら証券Aと証券Bの価格差は叩円である。
ところがある日、Aの価格が卯円、Bの価格が引円、両者の価格差が8円に縮小したとしよう。
平均回帰性が続いていれば、AとBの価格差は再び叩円に戻るはずであるから、運用者は証券Aをロングにし、証券Bをショートにする。
逆にAの価格が101円、Bの価格が鈎円、AとBの価格差がロ円に拡大した場合、証券Aをショートにする一方で、証券Bをロングにする。
近年、債券ならびに債券デリパティプの種類は、多様な投資機会を求める投資家の需要に応じる形で拡大してきた。
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